2013年12月24日火曜日

カモミールローマン・カモミールジャーマン| 精油を買うときには注意して!③

 カモミール(ローマン)(Chamaemelum nobile)油
  カモマイルとも発音する(英国ではこれがふつう。英国ロンドン付近が原産地とは意外な感じもする)。しかし、米国人の多くはカモミールと呼ぶようだ。カモミールを和製英語とカンちがいをしていたさる博学の方がおられたので念のため。
  このハーブは江戸時代から知られており、蘭学者たちはこれをオランダ語のKamille(カミッレと発音する)を音写して「カミツレ」と書いた。江戸時代には促音を現代のように小さい「ッ」で表わすことを人びとはしなかったので、こう蘭学者たちは表記した。元の正確な発音を知らない人びとは、これを文字どおり「カ・ミ・ツ・レ」と読んだ。のちに、それがさらに変化して「カミルレ」などと記されるようになった。
また、これをカモミラなどという人もいる。
 
 ・主要成分(%で示す)
  メチル-アンゲレート            16%
  3-メチルペンチルイソブチレート      12%
  2-メチルブチルアンゲレート        4〜25%
  メチル-アンゲレート-3-メチルペンチル    16%
  イソブチレート               12%
 
 カモミール(ジャーマン)(Matricaria recutita)油
  シス-スピロエーテル            1%
  カマズレン                 1〜18%
  α-ビサボロールオキシドB           11%
  α-ビサボロールオキシドA           9〜23%
  α-ビサボロール              10%
  ファルネセン               15〜28%
 
 一般にジャーマンカモミール油のほうが高価。濃青色の青インクのような色。ただし、これは時間の経過とともに、色が薄れていく。この色は、これに含まれるカマズレン分のためである。ジャーマンカモミールの原産地はその名の通りドイツ辺りが原産地である。
 
 ・偽和の問題
  ジャーマンカモミール油として売られているものには、合成したカマズレンを入れた製品がある。こうすると、天然のものよりずっと安あがりにできるからだ。一部の業者はジャーマンカモミールから溶剤でアブソリュートを抽出している。すると非常に粘性が高いアブソリュートがとれる(この溶剤は人体に危険をもたらす)。そして、ここにうんと安ものの化学合成物質類を加えると、もっともらしいジャーマンカモミール油が多量にできあがるというわけである。また、良心的なジャーマンカモミール油も、棚おき期間が長いと、さきにものべたようにカマズレンが変化して、精油はブルーから濃緑色に変ったり、茶色になったりする。こうした加齢油は当然ながら薬効がぐんと落ちる。しかし、精油のびんが褐色だとなかなかその変りようがわからない。何とかして中身を見せてもらうように、販売者と交渉するしか方法がないが、これは出来ない相談かもしれない。
 
 ジャーマンカモミールは、現在アルゼンチンで野草としてたくさん生えていて、採取する人もいない。もったいない気もする。これには、こんなわけがある。第二次大戦でナチスを支持したドイツ人(民間人のみならず軍関係者も含む)をローマ教皇庁(教皇庁が戦時中、600万のユダヤ人その他の大虐殺を黙認し、ナチスに実質的に協力したことを忘れてはならない)がこっそり援助し、アイヒマン(ナチスのユダヤ人絶滅計画の実行責任者)を含む多くの旧ナチス関係者を助けて、金銭・旅券・難民証まで与えて、彼らを、親ナチス派のペロン大統領が君臨していた南米アルゼンチンに逃げこませて、彼らを保護させた。
アルゼンチンはカトリックが国教で、国民の95%がカトリックの信者だ。ローマ教皇猊下(げいか)の仰せとあらば、大統領は何でもした。
このナチスの残党どもの旅行カバンのなかにはジャーマンカモミールの種子が知らぬ間にたくさん入っていた。これが、こぼれこぼれてアルゼンチンの山野にひろく一面に花を咲かせ、はしなくもナチスの言語に絶する悪業のしるしを残したということである。風にそよぐジャーマンカモミールの花には何の罪もないのだが。もし芭蕉がそうした事情を脳裏に浮かべつつ、この風景を眺めたら、どんな句を作っただろうか。
 
 ・効果
  ジャーマンカモミール油は、含有するα-ビサボロールとビサボロールAおよびBのため、またシス-スピロエーテルのためにモルモットの回腸で鎮痙作用を示すことがわかっており、ローマンカモミール油にも同様の効果がある。
 
  抗菌作用
   ジャーマン・ローマンともにこの作用があることが判明しているが、その力は弱い。抗真菌作用もあるが、これも特筆するほどでない。抗酸化作用がジャーマンには認められる(ローマンにはない)。ジャーマンにもローマンにも鎮静作用があり、これはCNV(随伴性陰性変動)によってわかる。
 

 

 なお、ジャーマンもローマンも比較的、精油としては高価だが、ヨーロッパではこれらのカモミールはハーバルティーとして多く使われるためだ。ローマンのハーバルティーには鎮静効果があり、ジャーマンのハーバルティーには抗炎症作用があるので、これで患部に湿布すると有効。また、寝つきの悪い人間にはどちらのカモミールティーも卓効がある。マリア・リズ=バルチン博士によると、12人の不眠症の人間にこれらのティーを飲ませたところ、10人までが10分後に入眠した。そして、深い眠りが90分あまりもつづいたそうである。 

2013年12月17日火曜日

精油の化学⑧ エステル類

 ◎エステル類
  ・効果① ー 抗痙攣作用
     ② ー 鎮静作用
     ③ ー 強壮作用
     ④ ー 神経平衡回復作用
     ⑤ ー 不整脈正常化作用

 ◎特徴
  精油類のなかに存在する各種のエステルは、その精油中のアルコール類の量にそれぞれ規則的に対応した分量で含有されている。ここに注意すること。

 ◎エステル類が豊富な精油(エッセンス)類
  ローマンカモミール(Chamaemelum nobile)油
  ビターオレンジ(別名ビガラディアオレンジCitrus aurantium ssp. amara)エッセンス
   ミカン科のこのオレンジの果皮を圧搾(熱を加えない冷搾法で)して抽出したエッセンス。各種のエステルを含んでいる。
  ヘリクリスム(Helichrysum italicum serotinum)油
   キク科のこの草本の花の咲いた先端部分を蒸留してとる精油(アブソリュートを抽出することもある)。この精油はエステル分としてネリルアセテートを75%も含有する。ネリルブチレートも含む。
  真正ラベンダー(Lavandula angustifolia)油
    少なくとも40%、最高で60%ものリナリルアセテートを含む。
   ヨーロッパのAFNOR規格(日本のJAS規格とJIS規格をあわせたようなもの)ではこのリナリルアセテート分が少ないと、ラバンジン油とみなされてしまう。
   日本の秋田県で試験的に植えた真正ラベンダーでも60%ものリナリルアセテートを含んでいた例が報告されている。
  ラバンジン(Lavandula hybrida)油
   真正ラベンダー(L. angustifolia)とスパイクラベンダー(L. spica, L. latifolia)との属間交雑種で、2代めができないラベンダーの一種であるため、すべて挿し木で畑に植える。現在、フランスでは真正ラベンダーは10%ぐらいしか栽培されておらず、それよりずっと育てやすく、収油率もはるかに高いラバンジンが90%も植えられており、真正ラベンダー油の生産量は以前にくらべて、大幅に少なくなってしまった(現在、真正ラベンダーがもっとも多く植栽され、その精油の生産量も世界一なのは、ブルガリアである)。ラバンジンも何種類かあり、リナリルアセテート、ボルニルアセテート、ラバンズリルアセテート、ゲラニルアセテート(それぞれの量はシュペール、アブリアリス、グロッソなどラバンジンの種類によってかなり差異がある)を含んでいる。
ラベンダーの畑として紹介されている写真は、ほとんどがラバンジンのものである。
ピュアな真正ラベンダー油と称していながら、真正ラベンダーの精油にラバンジン油を混ぜて増量したものは、なかなかGC/MS(ガスクロマトグラフィー/マススペクトロメトリー)で検査しても見分けることは難しいため、この偽和はいちだんとタチが悪い。


 ◎主要なエステル類
  ボルニルアセテート(酢酸ボルニルともいう。以下同様)
  ゲラニルアセテート
  ラバンズリルアセテート
  リナリルアセテート
  メンチルアセテート
  ミルテニルアセテート
  ネリルアセテート
  テルペニルアセテート
  イソブチルアンゲレート(アンゲリカ酸イソブチル)
  ベンジルベンゾエート(ベンジル酸ベンジル)
  シトロネリルフォルミエート(蟻酸シトロネリル)
  ゲラニルフォルミエート(蟻酸ゲラニル)
  メチルサリチレート(サリチル酸メチル)

2013年12月10日火曜日

Ylang ylang / Ilang ilang(イランイラン)|精油を買うときには注意して!① (50音順)

 「精油の化学」は12まで続きますが、ちょうど真ん中まできたので、ここらで一休みして気分転換に、精油やエッセンスを買うときに注意しなければならないことをいつくか挙げてみました。このシリーズは50音順で書いていきます。

 イランイラン(Cananga odorata)油

  バンレイシ科の木本の花を蒸留して抽出する精油。
  この木の花を早朝摘んだものを蒸留する。レユニオン島、コモロ島、フィリピン、インドネシア原産。現在はほとんどマダガスカルで生産されている。
 
 ・主要成分(%で示す)
  ゲルマクレンD            5〜10%
  リナロール              2〜19%
  p-クレシル-メチル-エーテル(PCME) 0.5〜16.5%
  ベンジルアセテート          3〜25%
  ベンジルベンゾエート         2〜10%
  ゲラニルアセテート          3〜10%
  β-カリオフィレン           1%
 
 最初に蒸留抽出されるエクストラグレードのイランイラン油は、ほかの各種グレードのイランイラン油よりも、ベンジルアセテート分とp-クレシル-メチル-エーテル(PCME)分を多量に含み、反対にセスキテルペン類の含有量は比較的低い。しかし、この比率はその蒸留のつど大きく変化するので、提供業者同士間でのそれらの比率の差をきちんと示すことはムリである。
 イランイランの花は、そのまま何回も蒸留されるが、それぞれの成分の割合は、大きく異なっている。当然、香りも変化する。
 
 この精油が何度めの蒸留でとったものかによって、精油の品質は高いものから低いものになっていく。最初に抽出されるいちばん高価な留分は、もっとも抽出時間が短く、3時間ほどである。これをエクストラシュペリアーオイルと呼ぶ。さらにまた時間をかけてとるのがエクストラオイル(グレード1)といわれるものである。そしてさらに30分強かけて抽出するものがグレード2のオイル、そして最後にさらに16時間もついやしてとるのがグレード3のオイルである。最高品質のエクストラシュペリアーオイルが最も薬理効果が高いのは言うまでもない。
このグレードの低いイランイラン油は、エクストラシュペリアー、エクストラの各精油の増量剤としてよく使用される。ガージャンバルサム油も増量剤として使われるが、これはα-グルユネンがあることで、検査すればそれとすぐわかる。偽和(要するにニセモノをつくること)は、安物のオイルに合成化学物質のバニリン、p-クレシル-メチル-エーテル、メチルベンゾエート、ゲラニオール、イソゲラニオール、イソサフロール、ベンジルベンゾエート、ベンジルアルコール、ベンジルプロピオネート、シンナメート、アニシルアセテート、アニシルアルコール、コバイバ油、ペルーバルサム油その他の天然精油などを、どしどし添加して行われる。安物のイランイラン油には、アロマテラピー効果などを期待するほうが愚かである。第一、その香り自体、下品そのもので、こんなものを用いてつくった香水や香粧品などを嗅いでいると、私などは吐きけを催し、卒倒しそうになってくる。残念ながら市販の「イランイラン油」はほとんどこのようなニセモノである。
最高級のイランイラン油ならばだが、鎮痙作用、抗菌作用、抗真菌作用などがある。さらに、その『催淫作用』は有名だ。 これは脳に影響を与えることで、CNV(随伴性陰性変動)のデータの観察によっても確かめられている。したがって、この精油もローズマリー油同様に脳の老化を遅らせる効用もあるのではないか。
 
付け加えると、これからシリーズ的に各種の精油をご紹介するが、お読みになる方には「すべての希望を捨てよ」といいたくなる。つくづくこの業界の人間には、安い原価でつくったニセモノを高く他人に売りつける業者が多いと感じないわけにいかない。精油を見たらニセモノと思え、といわざるを得ない、と悲しい気持ちになる。ただまあ、香料用だと言われれば仕方ないが。
 
ルネ=モーリス・ガットフォセのころはもとより、あるいはジャン・バルネ博士の時代でも、今日にくらべれば、偽和の技術は幼稚であったからこそ「アロマテラピー」などというものを考えることができたのだと思う。
ロシアから精油に合成アルデヒドを加える技術をもたらし、「シャネルの5番」をつくったエルネスト・ボーに呪いあれ!と叫びたくなる。もちろんこれは、アロマテラピーの観点から見れば、ということである。

精油の化学⑦ ジオン類およびラクトン類

 ◎ジオン類およびラクトン類

  ジオン類とラクトン類とは、いずれも微量の成分であるが、きわめて強力な活性を有する。

  ・効果① ー 非常に強い抗凝固・凝血作用
     ② ー 抗痙攣作用
     ③ ー きわめてパワフルな粘液分泌阻止作用
     ④ ー 体温低下作用

 ◎ジオン類・ラクトン類を豊富に含む精油類 ー 
  ローマンカモミール(Chamaemelum nobile)油
   キク科のこの多年草の花頭を蒸留して抽出する精油
  ジャーマンカモミール(Matricaria recutita)油
   キク科のこの1年草の花頭を蒸留して得る精油
  ヘリクリスム(Helychrysum italicum var. serotinum)油
   キク科の草本の花の咲いた先端部分を蒸留してとる。ヘリクリスムは別名イモーテル、あるいはイタリアン エヴァラスティングとも称され、多くの種類があり、それぞれ精油あるいはアブソリュートとして利用される。

 ◎主要なジオン類とラクトン類
  アラントラクトン
  イリジオン
  セスキテルペンラクトン類

2013年11月28日木曜日

スウィートオレンジ・ビターオレンジ|精油(およびエッセンス)類を買うときには注意して!②

  オレンジ(スウィート)(Citrus sinensis、別名C. aurantium var. sinensis)エッセンス
  オレンジ(ビター)(Citrus aurantium ssp. amara)エッセンス

 ・いずれもオレンジの果皮を圧搾してエッセンスを抽出。
 ・原産地はインド・東南アジアと考えられる。
  現在の主要生産地は、ブラジル、米国フロリダ州・カリフォルニア州、メキシコ、アルゼンチン、インドネシア

 ・主要成分(%で示す)
   成分    スウィートオレンジ   ビターオレンジ
  リモネン    94〜98       73〜98
  ミルセン    1.6         1〜11
  α-ピネン    0.4         0.3〜1.4
  サビネン    0.4         0
  デカノール   0.3         0
  1,8-シネオール  0           0.7〜9.0

 ・微小成分類
   クマリン類とソラレン類(ベルガプテン類)がこれらのエッセンスに含まれており、これが光毒性の反応症状を惹起する。この果皮を蒸留して抽出した精油からは、これらの成分はなくなる。これをFCF(フロクマリン フリー)精油と呼ぶ。このオレンジエッセンスと精油とには多量のメトキシフラボン類が含有されており、これが存在することが、これらが天然のものである証拠の一つになる。また、αおよびβ-シネンサールは、やはり微小成分のバレンセン、カリオフィレンといっしょになって、あのオレンジ特有の香気をかたちづくっている。

 ・これらのエッセンス・精油類の偽和→偽和について
  圧搾してとったスウィート・ビターの両エッセンス類のリモネン含量は、いずれもおよそ95%である。オレンジ(スウィート・ビター)油を偽和するには、ほかのカンキツ類の果皮から安あがりにとれるさまざまなテルペン類を入れたりする。オレンジエッセンスを偽和するには、蒸留抽出したビターオレンジ油を加えたり、オレンジではないほかのカンキツ類の蒸留精油を添加したりする。とくにスウィートオレンジエッセンスに合成リモネンをたっぷり加える手は、多くの業者がひんぱんにやっている。これがアロマテラピーで効果をあげたらお笑いだ。脱テルペン、脱セスキテルペンして濃縮した「天然」物からほど遠いスウィート・ビターのエッセンスや蒸留したオレンジ油などを加えて増量することもしょっちゅうだ。BHT、BHAのような抗酸化剤を、オレンジエッセンスに入れて、足の速い、つまり酸化しやすいオレンジエッセンスの棚おき期間を長くすることもさかんに行われている。こんな化学物質が人体に害を及ぼすことは目に見えている。また、ベルガモットエッセンスと称して、香りに鈍感な消費者にいろいろなものを入れたオレンジエッセンスを売りつけるタチの悪い業者が多い。スウィートであれビターであれ、オレンジエッセンスを購入する際には、徹底的に販売責任者に疑問点を問い糺(ただ)すこと。

 ・効果 ー 心身の鎮静効果
     ー 消化器官の蠕動(ぜんどう)の力を強化し、その運動の律動性を正常にし、リズムを整える。これはin vivo(生体内)で、イヌを実験動物として用いて判断したもの。
      また、モルモットの回腸でテストしたところ、鎮痙作用が認められた。
     ー 抗菌作用。これはオレンジエッセンスの濃度などの要素によりさまざまに変化する。試験報告によっても、このエッセンスに抗菌力があることは疑いないが、その効力の強さについて、一定の報告はできない。
     ー 抗真菌作用。あまり強くない。
     ー その他の作用。フロリダオレンジエッセンスには抗酸化作用は認められない。病人などにこのオレンジエッセンスをスプレーすることで、暗くなりがちな患者に抗うつ作用を発揮する事実がわかった。これは、東京都立のある病院の末期ガン患者にたいして看護師たちが試験的に行ったことで、はっきり確かめられた。
     ー その他。各国の薬局方に、乾燥させたオレンジ果皮が記載されている。Citrus aurantium ssp. amara、ビターオレンジは、プエルトリコ人たちが非常によく使う。これは、睡眠障害、胃腸の各種障害、呼吸器系のいろいろな症状を好転させるのに有効であり、また血圧を上昇させる効果も示す。ビターオレンジの干した果皮を利用し、これをラム酒やブランデーに浸してつくるアルコール分40%のキュラソー酒は、薬酒の一種である。

2013年11月21日木曜日

精油の化学⑥ クマリン類

 ◎クマリン類
  ・効果① ー 抗凝血作用
     ② ー 抗痙攣作用
     ③ ー 血圧降下(降圧)作用
     ④ ー 反射性興奮の鎮静・減少作用
     ⑤ ー 神経活動の鎮静作用
     ⑥ ー 体温低下作用

  注意すること
   クマリン類の各種フロクマリンには、光毒性があることに注意。光毒性のある精油を皮膚に適用した場合(たとえそれが2%程度に稀釈してあったものでも)、その精油中の成分、ひろく存在する因子はフロクマリンで、その化学的構造からUV〔紫外線〕の光子エネルギーを吸収し蓄える力があり、光があたらなくなったあとになって皮膚に内側からそのエネルギーを放出し、皮膚に発赤〔ほっせき〕を生じさせ、異常な黒色色素の沈着をおこす。このシミはなかなかなおりにくい。しかし、私たちがよく注意しなければならないのは、ベルガモットエッセンス、各種カンキツエッセンス、バーベナ油ぐらいだが、一般に買ってから時間〔たとえば1年とか2年とか〕が経過したものは、何であれ注意しなくてはいけない。以下、そのほか注意したほうがよいものをいくつかあげておく。

 ◎クマリン類を多量に含む精油類 ー
  カンキツ類のエッセンスのうち、ベルガモットはベルガプテンとして含有量は格段に多いが、ほかはさほどでもない。また、カンキツ類の果皮を蒸留してとった文字どおりの精油には、古くなったものはともかくとして、光毒性がない。

  ケーラ(Ammi visnaga)油
   セリ科の草本ケーラの種子を蒸留して抽出した精油。皮膚への適用は禁忌。
  アンジェリカ(Angelica archangelica)油
   セリ科の草本アンジェリカの種子を蒸留して得る精油。これは外用してはならない精油(クマリン類とフロクマリン類、たとえばインペラトリン、キサントトキシンのようなものを含有するため)。
  セロリ(Apium graveolens)油
   セリ科のまだ種子ができていないセロリの全草を蒸留してとる精油。これも外用は禁忌(テルペン類、フタリド類、それにベルガプテンを含むフロクマリン類を含有するため)。
  エストラゴン(別名タラゴン)(Artemisia dracunculus)油
   キク科のこの草本の花の咲いた全草を蒸留してとる精油(心配するほどではないがクマリン類のエスクレチン、メトキシクマリン類のヘルニアリン、スコパロン、スコポレチンを含んでいる)。
  真正ラベンダー(Lavandula angustifolia)油
   クマリン類は存在するが、案じるには及ばない(せいぜい0.25%。クマリン0.04%、ヘルニアリン50ppm、ウンベリフェロン、サントニン)。
  サントリナ(Santolina chamaecyparissus)油
   キク科のこの草本の花の咲いた先端部分を蒸留抽出した精油。クマリン含量は大したことはない。

 ◎主要なクマリン類
  セルリン
  フロクマリン
  ゲルニアリン
  ヘルニアリン
  ピラノクマリン
  サントニン
 

2013年11月17日日曜日

精油の化学⑤ ケトン類

 ◎ケトン類
  ・効果① ー ムコ多糖体症治癒作用
     ② ー 脂肪溶解作用
     ③ ー 癒傷作用
     ④ ー 抗凝固作用
     ⑤ ー 体温降下作用
     ⑥ ー 抗炎症作用
     ⑦ ー 鎮静作用
 
 
   注意すること
  不適切に多量のケトン類を用いると、期待した薬理効果と逆の結果が急激に生じるケースが多々ある。
  大量のケトン類を使用すると、神経毒性を発揮する。とくに内用は危険。
 
  ケトン類はたとえこれらを少量ずつ摂取したとしても、それが体内に蓄積していって、やはり神経毒性を発現するもとになる。ケトン類は体内で代謝され、排泄されるのに時間がかかるためである。
 
 ケトン類を豊富に含む精油類
  アルモワーズ(別名ワームウッド)(Artemisia herba-alba)油
   このキク科の草本には、ケモタイプが2種類ある。いずれも花の咲いた先端部分から蒸留して精油をとる。1つはダバノン ケモタイプで、これはケトン類を含まない。他方はツヨン ケモタイプのもので、ケトン類のα-ツヨンを64〜72%、そのほかにβ-ツヨンを含有していて、乳児・小児・妊婦はこれを使ってはいけない。神経毒性が強く、妊婦のケースでは流産が惹起されるといわれる。
  キャラウェイ(Carum carvi)油
   セリ科の草本の種子を蒸留して抽出した精油。ケトンとしてカルボンを含む。
  ユーカリ〔クリプトン ケモタイプ〕(Eucalyptus polybractea cryptonifera)油
   フトモモ科の高木の葉から蒸留抽出した精油。ケトン類のクリプトンを40%も含む。また、やはりケトン類のピペリトンを含有する。
  ヒソップ(Hyssopus officinalis)油
   シソ科の草本ヒソップの花の咲いた先端部分と葉とから抽出した精油。これにはケトン類として、αおよびβ-ツヨン、カンファー、ピノカンフォン(およそ12%)、イソピノカンフォン(32%前後)。種類によっては、ピノカンフォンを50%も含有するものがある。
   19世紀後半のパリの芸術家たちに、アブサン酒に中毒して廃人になってしまった者が多い。これはこの緑色の酒に加えられていたヒソップに含まれるαおよびβ-ツヨンのためである。
  スパイクラベンダー(Lavandula latifolia 〔spica〕)油
   シソ科小低木の花の咲いた先端部分から抽出した精油。ケトン類として、カンファー(16%)、カルボン(0.1〜0.5%)を含んでいる。
  ストエカスラベンダー(別名フレンチラベンダー)(Lavandula stoechas)油
   ケトン類としては、フェンコン(45〜50%)、カンファー(15〜30%)、ベルベノン(少量)をそれぞれ含む。強烈なカンファー臭があり、アロマテラピーではまず使われない。
  ペパーミント(Mentha piperita)油
   シソ科草本の地上部を蒸留して抽出する。メントン(20〜60%)、プレゴンその他のケトン類を含む。
  ペニロイヤル(Mentha pulegium)油
   シソ科草本のこの花の咲いた地上部を蒸留抽出したもの。ケトン類としてプレゴン(55〜95%まで)を含有する。
  ローズマリー(ベルベノン ケモタイプ)(Rosmarinus officinalis verbenoniferum)油
   シソ科のこの花の咲いた先端部分を蒸留抽出する。ケトン類としてベルベノン(15〜37%)、カンファー(1〜15%)を含む。
  ルー(別名ヘンルーダ)(Ruta graveolens)油
   ミカン科の小低木の花の咲いた全体を蒸留して得る。ケトン類として2-ノナノン(35%)、2-ウンデカノン(2.5%)が含まれる。
  セージ(Salvia officinalis)油
   シソ科の低木の花と葉とを蒸留してとる精油。ケトン類としてα-ツヨン(12〜33%)、β-ツヨン(2〜14%)、カンファー(1〜26%)ー 全体として、ケトン類を20〜70%も含む。
  サントリナ(Santolina chamaecyparissus)油
   キク科の低木の種子、あるいは花の咲いた先端部分を蒸留抽出してとる精油。ケトン類としては、アルテミシアケトン(39%)、αおよびβ-サントリネノンを含む。
  ツーヤ(Thuya occidentalis)油
   ヒノキ科の木本の小枝を蒸留し抽出する。ケトン類としてはツヨン(30〜60%)、イソツヨン(8〜14%)、フェンコン(7〜14%)、カンファー(2〜3%)などを含む。

 上記の植物精油に含まれる主要なケトン類

  ボルネオン        メチルエプテノン    カンファー
  カルボン         メチルノニケトン
  クリプトン        ピノカンフォン
  フェンコン        ピノカルボン
  フェノン         プレゴン
  イソアルテミシアケトン  ツヨン
  メントン         トランスピノカルボン
  メチルアミルケトン    ベルベノン

2013年11月13日水曜日

精油の化学④ アズレン類およびセスキテルペン類

 ◎アズレン類およびセスキテルペン類
 
  ・効果① ー 抗アレルギー作用
     ② ー 抗炎症・鎮静作用
     ③ ー 体温低下作用
     ④ ー 静脈活性化作用
 
 セスキテルペン類に属するアズレン類は、それを含む精油に多少ともブルーの色をつける。しかし、これは時間の経過とともに退色していく。
 
 アズレン類を多く含有する精油
  セロリ(Apium graveolens)油
   セリ科草本のセロリの種子を蒸留してとったこの精油は、セスキテルペン類を40%以上も含む。種子をつけていないスウィートセロリ(A. graveolens var. dulce)の全草から抽出したスウィートセロリ油もある。これも多量のセスキテルペンを含有する。
  アーテミジア(Artemisia arborescens)油
   キク科の草本のアーテミジアの葉または花の咲いた先端部分を蒸留抽出した精油で、セスキテルペン類のカマズレンとジヒドロカマズレンとをそれぞれ相当多量に含む(産地により、その量はかなり差がある)。
  イランイラン(Cananga odorata)油
   バンレイシ科のこの木本の花を蒸留(数回にわたって蒸留してとる。最初に蒸留したものが最高級品で、香りもよい。あとから蒸留したものは、それの増量剤として用いる)してとった精油。
  ジャーマンカモミール(Matricaria recutita)油
   キク科の一年草のジャーマンカモミールの花頭を蒸留した精油。カマズレン(カマズレンは、カモミールのアズレンの意)、ジヒドロカマズレンをそれぞれ相当多く含有する。
  セイロンシナモン(Cinnamomum zeylanicum)油
   クスノキ科の木本の樹皮と葉とからとる精油であるが、セスキテルペン類を多く含むのは、葉由来の精油である。
  ユーカリ(Eucalyptus globulus)油
   フトモモ科の大高木の葉から抽出した精油。
  グアイヤック(Guajacum officinalis)油
   ハマビシ科の木本の木部とオレオレジン(樹脂)とから蒸留抽出した精油。
  ホップ(Humulus lupulus)油
   アサ科のつる性草本の毬果から抽出した精油。β-カリオフィレンおよびα-フムレンの両セスキテルペンが60%も含まれている。
  真正ラベンダー(Lavandula angustifolia)油
   シソ科の小低木の花の咲いた先端部分から蒸留した精油。
   セスキテルペン類としてはβ-カリオフィレン、β-ファルネセンを含有。
  レモンバーベナ(Lippia citriodora)油
   クマツヅラ科の低木の葉・小枝から抽出した精油。セスキテルペン類を18%以上含む。
  ニアウリ(Melaleuca quinquenervia cineolifera)油
   フトモモ科の木本の葉・小枝から抽出する精油。
   β-カリオフィレン、アロマデンドレンなどのセスキテルペン類に富む。
  スコッチパイン(Pinus sylvestris)油
   マツ科の木本、スコッチパインの針葉を蒸留して抽出する。セスキテルペンとしては、ロンギフォレンを含んでいる。
  ウィンターセーボリー(Satureja montana)油
   シソ科の小低木。近縁種にサマーセーボリー(Satureja hortensis)があり、いずれも香味植物としてヨーロッパ各地で愛用されてきた。これらは薬用植物として古代より有名。これのカルバクロールケモタイプがとくに有用(正式学名はSatureja montana ssp. montana carvacrolifera)。この花の咲いた先端部分を蒸留した精油。セスキテルペン類としては、β-カリオフィレン、α-フムレン、アロマデンドレン、β-ビサボレン、αおよびγ-カジネン、カラコレンを含む。
  ジンジャー(Zingiber officinalis)油
   ショウガ科の草本。根茎を利用する薬用植物として、東洋でも西洋でもひろく親しまれてきたことで有名(中国生薬名は生畺〔しょうきょう〕)。この根茎から蒸留抽出した精油。
 
  主要なアズレン類(いずれもセスキテルペンに属する)
  アロマデンドレン   ゲルマクレン
  アズレン       フムレン
  ビサボレン      ロンギフォレン
  カジネン       フェランドレン
  カラメネン      セリネン
  カリオフィレン    ビリジフロレン
  カマズレン      ジンギベレン
  グアイアズレン 

2013年11月6日水曜日

精油の化学③ アルデヒド類

 ◎アルデヒド類

  ・効果① ー 抗炎症作用
     ② ー 抗感染作用・不安緩解作用
     ③ ー 結石破砕作用
     ④ ー 体温降下作用・免疫力刺激強化作用・抗アレルギー作用

 アルデヒド類は、注意を要する。これらには「刺激作用」の強いものがあるためである。とくにセイロンシナモン(Cinnamomum zeylanicum)の樹皮から抽出した精油が含むシンナムアルデヒドは、強い刺激力がある。

 アルデヒド類を多く含有する精油ー
  セイロンシナモン(Cinnamomum zeylanicum)油
   クスノキ科の木本の樹皮から抽出した精油(シンナムアルデヒドを63〜76%も含む)
  クミン(Cuminum cyminum)油
   セリ科の草本クミンの葉からとる精油で、アルデヒド類を32%まで含む。
  ウェストインディアン レモングラス(Cymbopogon citratus)油
   イネ科の草本ウェストインディアン レモングラスの全草からとった精油には、85%もの大量のアルデヒド類が含まれる。
  レモンユーカリ(Eucalyptus citriodora)油
   オーストラリアとその周辺原産のフトモモ科の高木の葉から蒸留した精油で、これのシトロネラール ケモタイプ由来の精油は80%ものアルデヒドを含む。
  メリッサ(Melissa officinalis)油
   シソ科の草本メリッサ(レモンバームとも呼ぶ)。真正のメリッサ油は、まず入手不可能。市販の「メリッサ油」と称するものの99%は、レモングラスなど数種のハーブや化学合成物質をまぜたインチキ品と覚悟されたい。真正メリッサ油の含有アルデヒド類の全量も、15%ぐらいである。
   真正メリッサ油の価格はピュアなバラ精油と同程度の値段。すなわち同じ重量の黄金と同じ価格である。安い真正メリッサ油などというものは、絶対に存在しない。

  主要なアルデヒド類
   アニスアルデヒド
   ベンズアルデヒド
   シンナムアルデヒド
   シトラール
   シトロネラール
   ゲラニアール
   ミルテナール
   ネラール

2013年11月2日土曜日

精油の化学② モノテルペン・セスキテルペンアルコール類

 今回は、精油の重要な成分である「モノテルペンアルコール」(あるいは「モノテルペノール」)、「セスキテルペンアルコール」(あるいはセスキテルペノール)に移ろう。
 
 ◎モノテルペンアルコール類
  ・効果① ー 抗感染作用
     ② ー 免疫力刺激強化作用
     ③ ー 神経強化作用(心身強壮剤となる)
     ④ ー 殺菌・殺真菌・殺ウイルスの各作用
 モノテルペンアルコール類は、フェノール類よりも作用が穏和だが、抗感染力はフェノール類におさおさ劣らないほどパワフルである。
 
モノテルペンアルコール類を多く含む精油類 ー 
 ボアドローズ、別名ローズウッド(Aniba parvifloraおよびA. rosaeodora:クスノキ科)の木部(ただし、これは絶滅が危惧される木本植物なので、いまでは入手不可能)からとれる精油
 イランイラン(Cananga odorata:バンレイシ科の木本)の花を蒸留して抽出した精油
 コリアンダー(Coriandrum sativum:セリ科の草本)の熟した果実を蒸留して抽出したものと、葉をそのまま蒸留してとったものとがある。前者のほうが断然、モノテルペンアルコールの含量が多い(60%〜80%にもなる!)。
 そのほかにも、ジンジャーグラス(Cymbopogon martinii:イネ科の草本)の全草を蒸留抽出した精油、セイロンシトロネラ(Cymbopogon nardus)の全草を蒸留してとった精油、ラバンジン(Lavandula hybrida、すなわちLavandula angustifolia〔真正ラベンダー〕とL. spica〔スパイクラベンダー〕との属間交雑種)からとった精油、ティートリー(フトモモ科の木本)の葉の精油(50%もこれを含む)、ペパーミント(シソ科の草本)の全草の精油(48%におよぶ含有量。この精油独特の清涼感は主としてこれに由来する)、「レタス型葉」バジル(Ocimum basilicum “feuilles de laitue”)の開花時の全草からとった精油(65%もの含量)、マージョラム(Origanum majorana:シソ科)の花の咲いた先端からとった精油(50%にも達する含量)、ローズゼラニウム(フウロソウ科の草本だが、ケモタイプまたはケモバーによって成分はいろいろに異なる。ローズゼラニウムの「ブルボン」ケモバーにいたっては、80%ものモノテルペンアルコールを含有する。)あと、シソ科の小低木Thymus vulgaris、つまりタイムの精油は、ケモタイプ(それが生育した土地により、いつも一定の特殊な化学構成を有するものをこう呼ぶ)が多く、ケモタイプごとにモノテルペンアルコール分の量が異なる。
 
 タイムのゲラニオールケモタイプの精油は、ほとんどがゲラニオール(これはモノテルペンアルコールの一種)だ。タイムのリナロールケモタイプは60%〜80%の含量である。ツヤノール-4-ケモタイプは、およそ50%の含量である。パラシメンケモタイプは、その含有量がぐんと落ちる。
 
 各種の精油が含むモノテルペンアルコール類
  ボルネオール、シトロネロール、クミノール、フェンコール、グアイヤオール、ゲラニオール、ラバンズロール、リナロール、メントール、ミルテノール、ネロール、ピペリトール、テルピネオール、ツヤノール、トランスピノカルベオール
 
 ◎セスキテルペンアルコール類(セスキはC15の意)
  ・効果① ー 免疫力刺激強化作用
     ② ー 心身強壮作用
 
 セスキテルペンアルコール類には、毒性を有するものはない。
 
 ◎セスキテルペンアルコール類を含有する精油
  キャラウェイ(Carum carvi)油
  セリ科の草本。その種子を蒸留してとったもの。
  ローマンカモミール(Chamaemelum nobile)油
  このキク科の草本の花頭を蒸留して抽出した精油。
  ジャーマンカモミール(Matricaria recutita)油
  このキク科の草本の花頭を蒸留した精油。
  キャロット油
  野菜のニンジンすなわちセリ科の草本Daucus carotaの種子を蒸留してとった精油。
  ユーカリ油
  オーストラリア原産のフトモモ科の大高木の葉を蒸留して抽出した精油。ユーカリには多数の変種があるが、ふつう精油用に使用されるのはEucalyptus globulus、次いでE. citriodoraなどである。
  ニアウリ(Melaleuca quinquenervia)油
  このフトモモ科の木本のシネオールケモタイプとネロリドールケモタイプの葉からとった精油。
  オリガヌム コンパクトゥム(Origanum compactum)油
  シソ科のこの草本の花の咲いた先端部分を蒸留した精油。
  マスティックス(Pistacia lentiscus)油
  このウルシ科の葉のついた小枝を蒸留して得た精油。
  パチュリ(Pogostemon patchuli)油
  このインド産のシソ科の花の咲いた全草を蒸留して得た精油。
  セージ(Salvia officinalis)油
  シソ科のこの小低木の花の咲いた先端部分を蒸留した精油。
  クラリセージ(Salvia sclarea)油
  シソ科のこの小低木の花の咲いた先端部分を蒸留してとった精油。
  サンダルウッド(Santalum album)油
  ビャクダン科の木本であるが、この木の最高の産地、インドのマイソール産の「真正」サンダルウッドは、犯罪行為スレスレのよほどの奥の手を使わなければ、入手不可能なのが現状である。
 
 ◎主要なセスキテルペンアルコール類

  アンテモール、ビサボロール、カロトール、カルベオール、セドロール、ダウコール、グロブロール、オクテン-3-オール、パチュロール、サルビオール、サンタロール、スクラレオール、ビリジフロール