2013年6月5日水曜日

英国におけるアロマテラピーの歴史④ ロバート・ティスランド

ロバート・ティスランドが、マルグリット・モーリーのホメオパシー傾向を取り入れたのは、英国で(また20世紀初頭の米国でも)ホメオパシーがバカうけした例があったためだと思う。英国の王室でも、この療法を採用したと言われている。真偽のほどは定かではないが。
つまりホメオパシーファンが多い英国の土壌を利用したわけだ。
バッチのフラワーレメディーズなるものも、ホメオパシーから分岐したものである。

バッチ療法の本を読むと、このブランデーを15度くらいに水割りした液体中の薬効成分は霊妙なもので、アロマテラピー用精油のすぐそばにフラワーレメディーズを置くことは厳禁とある。そのデリケートな成分が、精油の強い芳香で分解してしまうためだという。

しかしロンドンでこの種の薬剤を売っている大手の「ネルソン」という店をはじめ、そうした専門店を5~6店回ってみたが、どこでも平気でバッチのレメディーズとアロマテラピー用の精油とを並べて売っていた。そばにホメオパシー薬剤もおいてある。

こうした店は「専門店」なんだろうから、私が読んだ本から得た初歩的な知識など知らぬはずはない。と、いうことはこうした店自身、バッチフラワーレメディーズの効力など頭から信じていないのだろう。これを論より証拠というのだ。でも、ロバートはバッチ博士の見解も、著書The Art of Aromatherapy のいたるところで援用している。博士がアロマテラピーに何かと都合の良いセリフをはいてくれているためである。

だから、繰り返すが、ロバート・ティスランド(ブレーンが何人もいるらしいが)が説くアロマテラピーは、科学的なものと非科学的なものとの「ごった煮」的テラピーといって差し支えない療法である。いま英国でのロバートのアロマテラピー事業の人気は落ち目の三度笠と聞く。
一貫した、恒久的説得力をもつ論理など、ヒッピーあがりにはブレーンを使っても所詮構築できなかったということか。だが、ことわっておく。私はロバートの精油が質の悪いものだなどとは口にしたことはない。そこは忘れないで欲しい。今のところ立証できないからだ。

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