2013年6月7日金曜日

可能な限り品質のよい精油が必要な理由

よく一般向けのアロマテラピー本を見ると、「フランスでは、医師がアロマテラピーを実践しており、街の薬屋でも精油を売っており、医師はアロマテラピーに従って処方をしている」などという、とんでもないヨタ話が多く載っている。

これはすべてウソである。

精油はフランスでは健康保険適用ではない。この事情は、英国でも同じである。

私の尊敬する先生、東野利夫先生(敗戦直前の九大での米兵の生体解剖事件にたちあい、その経験を『汚名』として発表して話題を呼んで、先年テレビにも出演した方だ)は、そんなデマ記事を信用なさって、渡仏し、「アロマテラピーやあい」とばかり、フランスで何人もの医師に会って、この自然療法のことを問うたが、誰ひとりとしてアロマテラピーを知っている医師に会うことができず、がっくりして帰ってきた、とおっしゃっていた。

現在、EBM(エビデンスに基づいた医学)ということがよくいわれる。evidence-based medicine は「根拠に基づく医療」ということで、つまり「眼前の患者の状態にしかじかの治療を適用してよいか否かを検討する行動指針に立脚して行う、医学・医術」の意である。

アロマテラピーも、現行の法律はさておき、かりにも「医療」を名乗るなら、できる限りこの要件を満たさなければならないとお考えかもしれないが、アロマテラピーの薬理理論からすれば、真の天然精油ならば精油の成分に年々の多少のブレがあっても、これを問題視しない。

現在、ジェネリック医薬品といわれ、厚労省の認可をうけている薬剤もプラスマイナス20%の、先発医薬品との差が許されている。だから、医師によっては後発医薬品、すなわちジェネリック医薬品を絶対に処方しない医師はたくさんいる。厚労省のチェックが甘すぎるというのだ。

しかし、天然自然の「薬剤」である精油にそれを厳しく求めるのは不可能だ。でも100%天然の精油、それも高圧をかけず高熱で成分をむやみに破壊しない精油を用いなくては、全く話にならない。

クライアントをリラックスさせる力すらない、そんなまがい物を「アロマテラピー用精油」などと気やすく呼んで欲しくない。

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