2014年6月3日火曜日

ティートリー | 精油類を買うときには注意して!⑯

ティートリー(Melaleuca alternifolia)油
 
 フトモモ科の木本ティートリーの主要なものは
  学名:Melaleuca alternifolia terpinene-4-olifera
     M. linariifolia cineolifera
     M. dissiflora
     M. radiata
  その他にも多くの種類がある。
 
 葉・小枝を水蒸気蒸留して得る。原産地はオーストラリア。
 
主要成分(%で示す)Melaleuca alternifoliaの場合
 α-ピネン       2.2
 α-テルピネン     7.5
 1,8-シネオール       5.6(以上。多くても15%未満)
 γ-テルピネン     17.5
 p-シメン        3.0
 テルピネン-4-オール 45
 α-テルピネオール    2.7
 テルピノレン      3.1
 
 以上の数字は、あくまで一つの大まかな目安と考えて頂きたい。ティートリー油は、その原木の種類によりその成分には大きな差があるからだ。ケモタイプも多い。当然それらの成分には多大な差が生じる。オーストラリアの当局ではテルピネン-4-オールの成分比を基準にM. alternifoliaのスタンダードを定めている。
 
・偽和の問題
 テルピネン-4-オールの比率を当局がスタンダードとしているために、さまざまな変種からこの成分を抽出して、その基準を満足させないM. alternifolia油に、ほかの変種から抽出したテルピネン-4-オールを添加したり、各種のテルペン類を加えて偽和するケースが多い。
 
・毒性
 LD50値
  ラットで1.9g/kg(経口)、ウサギで>5g/kg(経皮)
 
 刺激性・感作性
  ヒトにおいて1%濃度で、いずれも認められない。
 1,8-シネオールは感作性があることで知られている。したがって、1,8-シネオール分があまり多いものは、これを人為的に減らしている。
 ティートリー油の一部は、一時食品添加物として認められていたこともある(現在はどうか知らないが)。
 
 光毒性
  報告された例はない。
 
・作用
 モルモットの回腸において(in vivoで)、はじめ痙攣惹起作用を示し、次いで鎮痙作用をあらわした。
 
 抗菌作用 そのティートリー油の成分に依存して、変動がある。1,8-シネオールは抗菌力は弱いが、テルピネン-4-オールの抗菌力は強力で、p-シメンはさらにいちだんとその力が強い。したがって、量的に少なくても、この作用は無視できない。ティートリー油は広いスペクトラムの抗菌・殺菌作用を発揮する。私はラベンダー油よりも(用途によりけりだが)多くのケースでティートリー油を勧めている。
 
 抗真菌効果 Candida albicans(カンジダ菌)を含む多種多様の真菌に対してパワフルな効果がある。
 
 抗酸化作用 なし。
 
・その他の用途
 皮膚炎に対して5%濃度で患部に塗布して効果があったという報告がある。また、歯磨きに際して、このティートリー油を使用すると歯周病・虫歯の予防になる。
 また、日本には幸いにしていないがオーストラリアなどに生息する毒グモ、また日本にもいる毒ヘビに咬まれた場合、手早く毒を吸い出してからティートリー油をつけると有効である。もちろん念のためそのあとで医師に診てもらうことは言うまでもない。水虫に効き目があるし、やけどにはラベンダー油よりも効果がある。ティートリー油は、オーストラリア人の家庭の常備薬となっている。 

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