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2020年5月5日火曜日

動画配信のお知らせ

期間限定 動画配信のお知らせ

高山林太郎の遺言-アロマセラピストに遺したメッセージ

「これからの日本アロマテラピーに私たちは何をすべきか」



ブログ管理人よりお知らせです。
2019/3/30に行ったイベント「高山林太郎の遺言-アロマセラピストに遺したメッセージ」の動画配信を始めました。
このイベントは、最後のブログ原稿となった遺作の発表イベントで、ゲストにグリーンフラスコ林真一郎先生をお迎えし、興味深い考察もいただきました。

新型コロナのため、STAY HOMEが続く中、少しでもお役に立つ動画であれば嬉しいです。
以下、当時のPR文となります。

***************************************
アロマテラピー研究室の生みの親、高山林太郎氏は、2015年9月26日に亡くなる1ヶ月前、私たちを自宅へ呼び寄せました。体力がなく記述するのが困難であったため、ブログ記事を口述によって記録させるためでした。私たちは、ビデオを回しながら口述をPCで打ち込みました。

その内容は、戦争を体験し、さらに70年代に訳したマルクスやレーニン、周恩来にまつわる書などを彷彿させる言葉を含み、アロマテラピーに留まらず、生涯の集大成ともいえるものであったと…死期を悟っていたのか、今、読み返してみるとまさに遺言でした。

85年に高山氏によって翻訳された『アロマテラピー―〈芳香療法〉の理論と実際 (ロバート ティスランド著)』を機に、アロマテラピーは、日本に広く知られていきました。絶版となった『ジャン・バルネ博士の植物‐芳香療法』、2018/09/25に第2版が出版された『精油の安全性ガイド』、多くのアロマセラピストたちの当時のバイブルともいえる『フランス・アロマテラピー大全』など30冊あまりの書籍に携わり、『アロマテラピーのための84の精油』は、未だにベストセラーな書籍の一つです。


これらの訳本や著書が日本のアロマテラピーの発展に大きな役割を担ったことは言うまでもありません。しかし、高山氏は、その日本的なアロマテラピーに対して、最後の最後まで悔やんでいたことも事実でした。本文には次の言葉があります。

「私たちは子孫に対してより良い未来を残すそういう義務がある。」

最後のブログ記事となるはずであった原稿をみなさまにシェアするとともに、「これからの日本アロマテラピーに私たちは何をすべきか」協会や団体の小さな世界を超えて、参加者と共に考えていきたいと思います。

特別ゲストとして、グリーンフラスコの林 真一郎先生をお迎えしました。
今も尚、日本のアロマテラピーをけん引される林先生は、その昔、高山林太郎氏の授業にも参加した一人です。30年以上、日本のアロマテラピーを見つづけた林先生の目に映る「アロマテラピー」とはどんなものなのか、その歴史と変遷を踏まえたお話は、みなさんの心にどう届くでしょうか?

昨今では、香料の強い商品から「香害」という言葉が生まれました。精油や香料の成分による化学物質過敏症も問題視されています。また、アロマテラピー人口が増えるとともに、その使い方の是非の議論も巻き起こっています。書籍やweb、団体、商業サロンの推奨する情報は果たしてどこまで信用できるでしょうか。アロマセラピストでさえ認識していないかもしれない精油やキャリアオイルの情報について、私たちはどう向き合っていけば良いのでしょうか。

「今、実に携わっておられるアロマセラピストのみなさんたちは、もっと良い考えをお持ちのことだろうと私は期待する。ぜひそういう良い考えをみなさんから募りたい。それが私の心からの願いである。」 高山林太郎

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プログラム
・高山林太郎 最後のブログ原稿の発表
・ゲスト 林 真一郎先生のお話
・参加者によるグループワークとまとめ
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ゲスト 林 真一郎先生 プロフィール
薬剤師・臨床検査技師

東邦大学薬学部薬学科卒業。1985年グリーンフラスコ株式会社設立。 医師・鍼灸マッサージ師・助産師・薬剤師などとネットワークを作り、情報交換を行いながらホリスティック医学としてのアロマテラピーやハーブ療法の普及に取り組んでいる。
日本のアロマテラピー・植物療法の老舗であり代表の一つといえばグリーンフラスコ。グリーンフラスコを立ち上げる前から、高山林太郎氏と親交があったという。常に新しいことにチャレンジし、古くはweb上でハーブや精油のデータベースを構築・発信し、医療関係者向けに専門部会を立ち上げ緑の医学の啓蒙を図る。どこよりも早くハンドトリートメントや、国産精油を広めた活動は目を見張るものがある。近年では「医療大麻」についてその有用性に言及し、世界の動向にスピード感をもって発信し続けている。

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視聴費6000円

視聴期間:2020年7月末日まで

申込期限2020年5月末日

お申込はこちらへ

2019年1月31日木曜日

高山林太郎の遺言-イベントのお知らせ

高山林太郎の遺言-アロマセラピストに遺したメッセージ

「これからの日本アロマテラピーに私たちは何をすべきか」


ブログ管理人よりお知らせです。
2019/3/30に最後のブログ原稿となった遺作の発表イベントを行います。
と同時にブログ内容で高山林太郎が問いかけたセラピストへのメッセージに応えるべく、参加者とのディスカッションを行います。

ゲストにグリーンフラスコ林真一郎先生をお迎えします。




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アロマテラピー研究室の生みの親、高山林太郎氏は、2015年9月26日に亡くなる1ヶ月前、私たちを自宅へ呼び寄せました。体力がなく記述するのが困難であったため、ブログ記事を口述によって記録させるためでした。私たちは、ビデオを回しながら口述をPCで打ち込みました。

その内容は、戦争を体験し、さらに70年代に訳したマルクスやレーニン、周恩来にまつわる書などを彷彿させる言葉を含み、アロマテラピーに留まらず、生涯の集大成ともいえるものであったと…死期を悟っていたのか、今、読み返してみるとまさに遺言でした。

85年に高山氏によって翻訳された『アロマテラピー―〈芳香療法〉の理論と実際 (ロバート ティスランド著)』を機に、アロマテラピーは、日本に広く知られていきました。絶版となった『ジャン・バルネ博士の植物‐芳香療法』、2018/09/25に第2版が出版された『精油の安全性ガイド』、多くのアロマセラピストたちの当時のバイブルともいえる『フランス・アロマテラピー大全』など30冊あまりの書籍に携わり、『アロマテラピーのための84の精油』は、未だにベストセラーな書籍の一つです。


これらの訳本や著書が日本のアロマテラピーの発展に大きな役割を担ったことは言うまでもありません。しかし、高山氏は、その日本的なアロマテラピーに対して、最後の最後まで悔やんでいたことも事実でした。本文には次の言葉があります。

「私たちは子孫に対してより良い未来を残すそういう義務がある。」

最後のブログ記事となるはずであった原稿をみなさまにシェアするとともに、「これからの日本アロマテラピーに私たちは何をすべきか」協会や団体の小さな世界を超えて、参加者と共に考えていきたいと思います。

特別ゲストとして、グリーンフラスコの林 真一郎先生をお迎えしました。
今も尚、日本のアロマテラピーをけん引される林先生は、その昔、高山林太郎氏の授業にも参加した一人です。30年以上、日本のアロマテラピーを見つづけた林先生の目に映る「アロマテラピー」とはどんなものなのか、その歴史と変遷を踏まえたお話は、みなさんの心にどう届くでしょうか?

昨今では、香料の強い商品から「香害」という言葉が生まれました。精油や香料の成分による化学物質過敏症も問題視されています。また、アロマテラピー人口が増えるとともに、その使い方の是非の議論も巻き起こっています。書籍やweb、団体、商業サロンの推奨する情報は果たしてどこまで信用できるでしょうか。アロマセラピストでさえ認識していないかもしれない精油やキャリアオイルの情報について、私たちはどう向き合っていけば良いのでしょうか。

このイベントは、参加者が一方的に聞くだけの会ではありません。
情報を貰うだけを目的とした方はご遠慮ください。
アロマテラピーに携わる方々、アロマセラピストとして施術される方々が、どのような意見を持ち合わせているのか、普段語り合う機会のないみなさまとともに共有しあい、高山林太郎氏のメッセージと林先生のお話を受けて、これからの日本のアロマテラピーを考えていく会にしたいと願っています。

「今、実に携わっておられるアロマセラピストのみなさんたちは、もっと良い考えをお持ちのことだろうと私は期待する。ぜひそういう良い考えをみなさんから募りたい。それが私の心からの願いである。」 高山林太郎

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内容
・高山林太郎 最後のブログ原稿の発表
・ゲスト 林 真一郎先生のお話
・参加者によるグループワークとまとめ
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ゲスト 林 真一郎先生 プロフィール
薬剤師・臨床検査技師

東邦大学薬学部薬学科卒業。1985年グリーンフラスコ株式会社設立。 医師・鍼灸マッサージ師・助産師・薬剤師などとネットワークを作り、情報交換を行いながらホリスティック医学としてのアロマテラピーやハーブ療法の普及に取り組んでいる。
日本のアロマテラピー・植物療法の老舗であり代表の一つといえばグリーンフラスコ。グリーンフラスコを立ち上げる前から、高山林太郎氏と親交があったという。常に新しいことにチャレンジし、古くはweb上でハーブや精油のデータベースを構築・発信し、医療関係者向けに専門部会を立ち上げ緑の医学の啓蒙を図る。どこよりも早くハンドトリートメントや、国産精油を広めた活動は目を見張るものがある。近年では「医療大麻」についてその有用性に言及し、世界の動向にスピード感をもって発信し続けている。

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会場へのアクセス
スペイシー(貸し会議室)

東京都中央区日本橋本町四丁目15-10 古川ビル6F

JR総武本線 新日本橋 8番出口 徒歩2分
日比谷線 小伝馬町 4番出口 徒歩2分
銀座線・半蔵門線 三越前 A9出口 徒歩6分
JR総武線快速線 馬喰町 2番出口 徒歩6分
都営新宿線 馬喰横山 A2出口 徒歩8分
JR神田 東口 徒歩10分

定員
30名(先着順)

参加費 6000円

募集期間:2019年1月30日(水) 00:00〜2019年3月21日(木)

申込期限
2019/3/21(木)

参加費振込先
ゆうちょ銀行 記号10090 番号 71321511
アロマテラピー研究室(アロマテラピーケンキュウシツ)

●他金融機関からお振込みの場合
ゆうちょ銀行
【店名】店名〇〇八(読み ゼロゼロハチ)
【店番】008 
【預金種目】普通預金 
【口座番号】7132151
【口座名義人】アロマテラピー研究室(アロマテラピーケンキュウシツ)

振込期限
申込日から10日以内にお振込みをお願い致します。
申込期限3/21にお申込の場合、3/25着金でお振込みをお願い致します。

キャンセル料について
申込日~46日前(2/12) 全額返金
45日前(2/13)~31日前(2/28) 25%
30日前(2/28)~10日前(3/20) 50%
9日前(3/21)~ 当日 100%
キャンセルをされる場合は、速やかにご連絡いただきますようお願い致します。
返金事務手数料540円(振込手数料含む)を引いた額を口座より返金致します。
ご友人等へのお席の譲渡は、キャンセル料はかかりません。その際はご一報ください。

※申込とお振込みをもってお席を確保いたします。先着順です。

お申込はこちら(1/30より受付)↓
https://www.kokuchpro.com/event/aromalabo190330/

2015年9月28日月曜日

ブログ管理者よりお知らせ 訃報 高山林太郎先生

いつも『R 林太郎語録』をご覧いただきありがとうございます。

2015年9月26日 当ブログ筆者の高山林太郎が逝去いたしました。
ここに生前のご厚誼に深謝し、謹んでお知らせ申し上げます。

初夏に体調を崩し、闘病中でありましたが、ブログへの執筆意欲は衰えず、
ペンを取れない状況にあっても、口述によって原文を用意し最後の最後まで、
ブログの更新を望んでおりました。

また、どんな状況に於いても、現代の日本のアロマテラピーが、
正しい情報によって、発展することを願っておりました。

1985年に『The Art of AROMATHERAPY アロマテラピー<芳香療法>の理論と実際』を
翻訳して以来、自分が翻訳した内容によって、誤った情報が流布されたことを悔やみ、
それらを改めて広めることを願っていました。

翻訳する際には、正しいニュアンスであることを丹念に推敲し、
時には著者の元へ赴き調べ上げ、その探究心は留まることを知りませんでした。

このブログを開設するきっかけとなった著書
『誰も言わなかった、アロマテラピーの《本質:エッセンス》』を、
新たに修正して書籍とする準備も進めておりました。
それらが叶わなかったことが大変口惜しい限りです。

ブログに未掲載の原稿がまだ残っております。
いつしか、その原稿を記載できる時まで、お待ちいただけると幸いです。

なお、お問い合わせいただいた件は、順次わかる範囲でお答えしていきますので、
今しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。

安らかなご冥福をみなさまと共にお祈りしたいと存じます。

********************************************************

通夜、告別式の日程は以下の通りです。

通夜
9月29日 18:00~19:00

告別式
9月30日 11:00~12:00

場所
富士見ヶ丘駅前ホール

住所
東京都杉並区高井戸西2-8-1

交通
井の頭線 富士見ヶ丘駅前

電話
03-5344-4949


2015年4月22日水曜日

2015年2月2日月曜日

間もなく再開いたします

中国洛陽で行う講演の準備のため、ブログ更新が遅れています。

間もなく再開いたしますのでしばらくお待ち下さい。

2014年6月10日火曜日

〔コラム〕アロマテラピーのためのフランス語講座のおすすめ

 香りの王国は、なんといってもフランスですね。アロマテラピーがフランスで生まれたのも、当然だったのです。
 
 そこで、みなさんに、私から提案があります。
 アロマテラピーで使われるフランス語を勉強なさいませんか。
 例えば、フランス語ではラベンダーのことを「lavande(ラヴァンド)」、ローズマリーを「romarin(ロマラン)」と言います。ラベンダーは「洗う」というラテン語に由来するということ、ローズマリーのフランス名の一部「marin」が「海の」を意味することなど、このような知識をいろいろ広げるのはとても楽しいことです。 
 
 アロマテラピーで使用される精油・エッセンスの原料植物の名前や分析表に出てくる用語などを正しく覚え、それを美しく正確に発音することを勉強しましょう。また、アロマテラピーに関連する技術・人物名などをフランスではどう言っているかを知れば、あなたの愛する香りの世界、アロマの宇宙はいちだんとひろがるに違いありません。
アロマテラピーを人に教えている方も、フランス語の名前の意味や、発音の方法を通して、歴史や人名などの知識が立体的に結びついていると、教える場合にも役に立つことでしょう。
  
  ******************************
 
 私は、あなたのために、その楽しい講座を開催したいと思います。
 興味のある方は、下記にぜひご連絡下さい。詳しいことは、ご相談いたしましょう。
 
高山林太郎への直通電話
 携帯電話 080−5424−2837 
 固定電話 042−482−1179

2014年5月28日水曜日

『ジャン・バルネ博士の植物=芳香療法』はどうして復刊されないできたのか

高山林太郎
 
 現代アロマテラピーの医学的・科学的な基盤を築いた偉人といえば、フランスのジャン・バルネ医学博士をまっさきにあげる人は、日本でもヨーロッパでもたくさんいるでしょう。
 
 博士の名著 ”AROMATHÉRAPIE - Traitement des maladies par les essences de plantes” 邦訳題名『ジャン・バルネ博士の植物=芳香療法』は、私が30年以上もむかし、苦心に苦心を重ねて翻訳した、私にとって記念碑的な書物です。しかし、アロマテラピーのアの字も見たことのない日本人にこの療法を初めて紹介するには、フランスで10回以上も版を重ねた一般人向けの本とはいえ、むずかしすぎました。
 
 そこで、いろいろな問題点はあったものの、英国人、ロバート・ティスランドの ”The Art of Aromatherapy” (邦訳題名『アロマテラピー―〈芳香療法〉の理論と実際』)を最初に訳出・刊行することで、いままで日本人のほとんどが知らなかったアロマテラピーという、芳香植物の精油を利用する新しい自然療法を知らせるよすがにしようと考えたのです。
 
 「生活が苦しかったから、ロバートの著書を訳したんだろう」などという、ゲスな人間の批判もインターネットで見ました。アホな人間は、自分の下劣な考えを、こともあろうにこの私も同じように抱くとしか思えないのでしょう。思えば、気の毒な人です。自分がバカだからといって、世の中の人間すべてが自分と同じレベルのバカだなどとしか考えられない人間は、ホモ・サピエンス(人間)の名に値しません。反論する気もおきません。私はイヌ・ネコなみの動物とけんかするほど、悪趣味ではありません。
 
 私は当時、フランスからハーブを輸入する会社の研究開発部長を勤めていて、それなりに高給を食(は)んでいました。このころの私は、フランス・英国そのほかのヨーロッパ諸国のハーブ類の薬効の研究に、日夜いそしんでいました。当時、ハーブというものに興味を寄せる女性たちが多くなりはじめていました。でも、当時、西洋の薬用植物の薬理的な効果については、私ほど知識を持っていた人間は、たぶんほかにあまりいなかったと思います。
 
 さて、ある日のこと、某出版社の社長が「アロマテラピー」という新たなヨーロッパ生まれの植物療法の一種を紹介したいのだが、翻訳して頂けまいか、といって十数冊の英仏の原書を私のもとにもってきて、相談に乗ってほしいと依頼しました。私は、びっくりしました。私自身、アロマテラピーを新しい植物療法として捉え、これに深い興味を寄せて、すでにジャン・バルネ博士の前述の書物を訳し、知り合いの医師たちに読んでもらい、感想を尋ねてまわっていたのですから。
 
 もし、このとき私がジャン・バルネ博士の本の訳稿を、この出版社社長に「これを刊行して下さい」と頼んでいたらどうだったでしょうか。たぶん、全国で100冊も売れなかったでしょう。そして、今日のようにイヌ・ネコなみの動物まで「アロマテラピー」などと口にする世の中になっていなかったにちがいありません。
 でも、このときは何をおいてもまず、「アロマテラピー(芳香療法)」ということばそのものを知る人間を、一人でも増やすことが、なんとしても必要でした。私のこのときの決断が正しかったのか否かは、歴史が決めてくれるでしょう。いまの私は「功罪相半ばする」と考えています。
 
 ロバート・ティスランドの本は、ジャン・バルネ博士の「科学的な精神を逸脱しない」著書をネタ本にして、英国の大衆に俗うけするように、ホメオパシー・バッチ療法・占星術などをそこにおもしろおかしくまぶし、古代や中近世などのヨーロッパの医療をめぐる歴史をいわば講談調にまくしたて、オカルト的に中国伝統医学までとりあげて人を煙に巻き、根拠も明らかにせず「精油のレシピ」集などを並べました。
 ロバート・ティスランドは、バルネ博士の英訳本(英国ではほとんど売れませんでした)をパクって、その科学性などすっかり無視したわけですが、そのかいあってか(?)、英国の低俗な雑誌の編集者たちがこの本をおもしろがり、このネタをうまく使って、自分たちの雑誌の読者の関心を呼んで雑誌の販売部数をぐんと増大させようと企て、競ってロバートのこの本を話題にとりあげ、aromatherapy(アロマセラピー)という新しい言葉を英国全土にはやらせました。
 
 ジャン・バルネ博士は何度か英国を訪れていますが、博士はロバートのこの本を見て、すぐにこれが自分の本を換骨奪胎(かんこつだったい)し、自分が提唱した科学的アロマテラピーをふみにじったものだと知って憤慨し、正しくアロマテラピーが伝わらなかったことを悲しみました。せっかく訪英したバルネ博士に、ロバートは全く会おうともしませんでした。
 ロバートがフランス語など話せも読めもしない無教養な人間だったこともあるでしょうが、やはり博士に会わせる顔がなく、博士と通訳を介しても内容のある話ひとつ交わせないヒッピー崩れの、およそ知性において欠けた男だったからです(金にあかせてブレーンやゴーストライターなどを何人か使って、もっともらしい本を出していたのだと、故・藤田忠男博士は言っていました)。
 
 しかし、ロバート・ティスランドの俗流書を先に出版したために、日本でも「アロマテラピー」、「アロマセラピー」ということばが流行しはじめ、私がその出版社から出したいろいろなアロマテラピー書がひろく売れはじめました。
 
 そして、ようやくジャン・バルネ博士の前述の本が出せるようになりました。日本の人びとも、ロバートの著書よりも程度の高いアロマテラピーの書物を求めるようになったからです。
 
 この本は、同社で3000部ほど出しました。まもなく売り切れました。当然、版を重ねるべきなのに、同社の編集長は、訳者として当然の権利として私が受けとった数冊の翻訳書まで返せと要求してきました。もちろん、私は断りました。
 
 すると、この出版社の編集長と社長とは、見本に残しておいたバルネ博士の著書をコピー機で何百部か何千部かわかりませんが、まるまる一冊分コピーして、この定価7500円の本をなんとワンセット一万円でどんどん注文者に売ったのです。どれほどもうけたのだろうか。これは当然帳簿上には記載できない数字です。脱税の罪も立派に成立しますね。でもウラ帳簿などは今ではとっくに処分してしまったはずです。
 
 これは、日本とフランスとの両方の著作権管理会社にたいするひどい契約違反ですし、日本語版の翻訳・著作権者である私にたいする手ひどい背信行為です(私は、80年代から90年代にかけて私の本でここの社長・社員を食わせていたのです)。編集長がノータリンだったので、コピーしてこの本をどんどん販売していることをうっかり口走ってしまって、私にことの次第がばれてしまいました。コピーじゃダメだ、本をくれという注文者がいたので、私に渡した本を返せなどと言ってきたわけです。ある人が言っていましたが、コピーしたこの博士の本に、無断転載複写禁止と印刷されていたらお笑いですね。
 
 これで、この出版社は大儲けしかたどうかわかりませんが、コピーを買った人間が日仏両方の仲介業者にこの事実を知らせ、結果として、ジャン・バルネ博士もこの同社の悪事を知ることになり、博士は激怒して、二度と日本人などに自分の著書を訳させるものか、と身近な人びとに言っていたそうです。
悪事千里を走るとは、まさにこのことでしょう。
 
 私の厳重な抗議など、まったく無視してコピー商売を続けたこんな会社の幹部たちは、出版人の風上にもおけないヤクザ・泥棒同然の人間でなくてなんでしょう。なるほど、この犯罪行為はもう時効です。いまさらなにをいっても、顔に小便をかけられたカエルのようにケロリとして、この悪党どもはしらじらしい態度をとることは容易に想像できます。
 でも、このブログをごらんになった方々は、日本のアロマテラピーを推進させてきたと称する出版社が、倫理とか道徳とかといったものをまるで忘れたどんなに汚ない会社かがよくおわかりかと思います
 
 この犯罪には、上述のように時効の壁があって、いまさらどうにもなりますまい。しかし、国際的な道義を踏みにじり、日本と日本人の顔とに泥を塗った同社のこの悪行は、決して決して忘れないで下さい。
 
 私が無念でならないのは、この私が、翻訳者であるこの私までが、この悪事に加担したと、私の尊敬してやまないジャン・バルネ博士に思われてしまったこと(訳者なのですから当然です)、そして博士に、私が同社に厳重に抗議して、この悪党どもが不当に儲けた不浄の金などビタ一文も手にしなかったと弁明する機会もないまま、あの世に行かれてしまったことに尽きます。
 
 
 しかし、パンドラの箱に希望は残りました。
 バルネ博士の家族関係はかなり複雑で、博士の死後数年して博士夫人も死去しましたが、その有形無形の遺産の相続問題が穏便に片付いたら、話はまた変ってくるでしょう。ジャン・バルネ博士のこの不朽の名著の復刊を願ってやまない方がたは、その日をぜひとも楽しみにお待ち下さい。 

2014年4月30日水曜日

出版関係の皆さまへ、高山林太郎からのお願い【『フランス・アロマテラピー大全』の復刊について】

いま、本もののアロマテラピー学習書・研究書を望む人びとが渇望している本を刊行して下さる志の高い出版社を、ここに公募いたします。この名著をしのぐ書物は、あと10年はまず出ないでしょう。
 
その名著とは、
 
 
 ロジェ・ジョロア/編著
 ダニエル・ペノエル医学博士/医学監修
 ピエール・フランコム/科学監修
 
 『フランス・アロマテラピー大全 上・中・下巻(いずれも絶版)
 (原題:l’ aromathérapie exactement)
 
 
 
です。
 
私は、この世界最高峰のフランスのアロマテラピー学習書・研究書の訳出に、文字通り心血をそそぎました。多くの真に科学的思考ができる方がたから、「もはや、あと四半世紀は、この書を凌駕(りょうが)するものは、全世界的に刊行されないだろう」とさえ評された「幻の書」がこれです。
なお、この本はフランス語の原書から他国語に訳された世界唯一の本です。
 
この書物を復刊してほしい、再刊してほしいとお望みの方がたが、私に絶えず強くその要望をお寄せになっています(この私の2013年5月21日からスタートしたブログの閲覧数を参考になさって下さい)。
 
無理もありません。
現在、書店の棚に並んでいる「アロマテラピー関連書」と称する本は、ほとんどおしなべて俗悪・低劣・愚劣なものばかりです。
手にとって見る値打ちなど、まるでない消耗品、ないし文化的産物としての資格など完全に欠落した雑貨品にすぎません。
 
そうした書籍の出版社は、失礼ながら、いかがわしい日本アロマ○×協会などの「インストラクター」だの「アドバイザー」だのという、国家資格でも何でもない、はっきり言って何の役にも立たない資格を試験を受けさせて売りつけたあげく、定期的に高いお金をその「協会」に上納しなければ、遠慮なくその資格すら奪い取ってしまう、悪らつなアロマ協会の「資格」商売に奉仕するだけの、およそ出版社としての、文化の向上、進展に資することをめざす本来の使命を忘れた存在と言わざるを得ません。
 
出版人としてのプライドを、志をお持ちの方がたは、そんな「受験参考書」などを刊行なさっても、たちまち春の淡雪と消え去り、日本の文化史にその著書も貴社の名も一切残らないことは、申すまでもなく十二分にご承知のことと拝察いたします。
 
このアロマテラピーの世界的名著は、志が本当に高い出版社さまがお望みなら、いますぐにでも刊行できます。私は、訳者として責任をもって、原著者たちとも相談しながら、あらんかぎりのご協力をさせて頂きます。
 
 先に刊行した本書の上・中・下巻の3巻をまとめて1巻にし、手にとりやすい価格帯にしたいという構想もあります。
ぜひともご相談下さい。 
 
ご興味をお寄せの出版関係の方がたは、下記に早々にご連絡頂きとう存じます。
高山林太郎
    (携帯電話)080-5424-2837
または (固定電話)042-482-1179
 

2013年8月16日金曜日

沖縄県那覇市で講演をします。

沖縄講演会の詳細

http://www.meetsnature.com/seminar/

大タイトル:「誰も言わなかったアロマテラピーの本質」

〜10年後も健康に生きる人へ贈る、75歳の香り知恵袋〜

場所:両日とも沖縄船員会館


2013年08月24日(土) 13:00〜16:00
一般講演「40、50代だからこそ始める植物=芳香療法としてのアロマテラピー」
ゲスト:内科医 大場修治先生
詳細⇒
https://www.meetsnature.com/seminar/day/20130824takayama.html

2013年08月25日(日) 9:30〜11:30
少数対話会「若いセラピストたちへ伝えたいことがたくさんある」
詳細⇒
https://www.meetsnature.com/seminar/day/20130825takayama.html

2013年7月17日水曜日

明石にて講演を行います


2013年9月1日 兵庫県明石市にて講演を行います。

講演詳細や申し込みについて  (facebook)

みなさまにお会いできるのを楽しみにしております。高山林太郎