2014年2月27日木曜日
精油の化学⑫ フェノール類
2014年2月6日木曜日
精油の化学⑪ オキシド類
2014年1月23日木曜日
精油の化学⑩ モノテルペン類
ジペンテン テルピネン
2014年1月6日月曜日
精油の化学⑨ エーテル類
2013年12月17日火曜日
精油の化学⑧ エステル類
◎エステル類
・効果① ー 抗痙攣作用
② ー 鎮静作用
③ ー 強壮作用
④ ー 神経平衡回復作用
⑤ ー 不整脈正常化作用
◎特徴
精油類のなかに存在する各種のエステルは、その精油中のアルコール類の量にそれぞれ規則的に対応した分量で含有されている。ここに注意すること。
◎エステル類が豊富な精油(エッセンス)類
ローマンカモミール(Chamaemelum nobile)油
ビターオレンジ(別名ビガラディアオレンジ)(Citrus aurantium ssp. amara)エッセンス
ミカン科のこのオレンジの果皮を圧搾(熱を加えない冷搾法で)して抽出したエッセンス。各種のエステルを含んでいる。
ヘリクリスム(Helichrysum italicum serotinum)油
キク科のこの草本の花の咲いた先端部分を蒸留してとる精油(アブソリュートを抽出することもある)。この精油はエステル分としてネリルアセテートを75%も含有する。ネリルブチレートも含む。
真正ラベンダー(Lavandula angustifolia)油
少なくとも40%、最高で60%ものリナリルアセテートを含む。
ヨーロッパのAFNOR規格(日本のJAS規格とJIS規格をあわせたようなもの)ではこのリナリルアセテート分が少ないと、ラバンジン油とみなされてしまう。
日本の秋田県で試験的に植えた真正ラベンダーでも60%ものリナリルアセテートを含んでいた例が報告されている。
ラバンジン(Lavandula hybrida)油
真正ラベンダー(L. angustifolia)とスパイクラベンダー(L. spica, L. latifolia)との属間交雑種で、2代めができないラベンダーの一種であるため、すべて挿し木で畑に植える。現在、フランスでは真正ラベンダーは10%ぐらいしか栽培されておらず、それよりずっと育てやすく、収油率もはるかに高いラバンジンが90%も植えられており、真正ラベンダー油の生産量は以前にくらべて、大幅に少なくなってしまった(現在、真正ラベンダーがもっとも多く植栽され、その精油の生産量も世界一なのは、ブルガリアである)。ラバンジンも何種類かあり、リナリルアセテート、ボルニルアセテート、ラバンズリルアセテート、ゲラニルアセテート(それぞれの量はシュペール、アブリアリス、グロッソなどラバンジンの種類によってかなり差異がある)を含んでいる。
ラベンダーの畑として紹介されている写真は、ほとんどがラバンジンのものである。
ピュアな真正ラベンダー油と称していながら、真正ラベンダーの精油にラバンジン油を混ぜて増量したものは、なかなかGC/MS(ガスクロマトグラフィー/マススペクトロメトリー)で検査しても見分けることは難しいため、この偽和はいちだんとタチが悪い。
◎主要なエステル類
ボルニルアセテート(酢酸ボルニルともいう。以下同様)
ゲラニルアセテート
ラバンズリルアセテート
リナリルアセテート
メンチルアセテート
ミルテニルアセテート
ネリルアセテート
テルペニルアセテート
イソブチルアンゲレート(アンゲリカ酸イソブチル)
ベンジルベンゾエート(ベンジル酸ベンジル)
シトロネリルフォルミエート(蟻酸シトロネリル)
ゲラニルフォルミエート(蟻酸ゲラニル)
メチルサリチレート(サリチル酸メチル)
2013年12月10日火曜日
精油の化学⑦ ジオン類およびラクトン類
セスキテルペンラクトン類
2013年11月21日木曜日
精油の化学⑥ クマリン類
◎クマリン類
・効果① ー 抗凝血作用
② ー 抗痙攣作用
③ ー 血圧降下(降圧)作用
④ ー 反射性興奮の鎮静・減少作用
⑤ ー 神経活動の鎮静作用
⑥ ー 体温低下作用
注意すること
クマリン類の各種フロクマリンには、光毒性があることに注意。光毒性のある精油を皮膚に適用した場合(たとえそれが2%程度に稀釈してあったものでも)、その精油中の成分、ひろく存在する因子はフロクマリンで、その化学的構造からUV〔紫外線〕の光子エネルギーを吸収し蓄える力があり、光があたらなくなったあとになって皮膚に内側からそのエネルギーを放出し、皮膚に発赤〔ほっせき〕を生じさせ、異常な黒色色素の沈着をおこす。このシミはなかなかなおりにくい。しかし、私たちがよく注意しなければならないのは、ベルガモットエッセンス、各種カンキツエッセンス、バーベナ油ぐらいだが、一般に買ってから時間〔たとえば1年とか2年とか〕が経過したものは、何であれ注意しなくてはいけない。以下、そのほか注意したほうがよいものをいくつかあげておく。
◎クマリン類を多量に含む精油類 ー
カンキツ類のエッセンスのうち、ベルガモットはベルガプテンとして含有量は格段に多いが、ほかはさほどでもない。また、カンキツ類の果皮を蒸留してとった文字どおりの精油には、古くなったものはともかくとして、光毒性がない。
ケーラ(Ammi visnaga)油
セリ科の草本ケーラの種子を蒸留して抽出した精油。皮膚への適用は禁忌。
アンジェリカ(Angelica archangelica)油
セリ科の草本アンジェリカの種子を蒸留して得る精油。これは外用してはならない精油(クマリン類とフロクマリン類、たとえばインペラトリン、キサントトキシンのようなものを含有するため)。
セロリ(Apium graveolens)油
セリ科のまだ種子ができていないセロリの全草を蒸留してとる精油。これも外用は禁忌(テルペン類、フタリド類、それにベルガプテンを含むフロクマリン類を含有するため)。
エストラゴン(別名タラゴン)(Artemisia dracunculus)油
キク科のこの草本の花の咲いた全草を蒸留してとる精油(心配するほどではないがクマリン類のエスクレチン、メトキシクマリン類のヘルニアリン、スコパロン、スコポレチンを含んでいる)。
真正ラベンダー(Lavandula angustifolia)油
クマリン類は存在するが、案じるには及ばない(せいぜい0.25%。クマリン0.04%、ヘルニアリン50ppm、ウンベリフェロン、サントニン)。
サントリナ(Santolina chamaecyparissus)油
キク科のこの草本の花の咲いた先端部分を蒸留抽出した精油。クマリン含量は大したことはない。
◎主要なクマリン類
セルリン
フロクマリン
ゲルニアリン
ヘルニアリン
ピラノクマリン
サントニン
2013年11月17日日曜日
精油の化学⑤ ケトン類
シソ科の草本ヒソップの花の咲いた先端部分と葉とから抽出した精油。これにはケトン類として、αおよびβ-ツヨン、カンファー、ピノカンフォン(およそ12%)、イソピノカンフォン(32%前後)。種類によっては、ピノカンフォンを50%も含有するものがある。
19世紀後半のパリの芸術家たちに、アブサン酒に中毒して廃人になってしまった者が多い。これはこの緑色の酒に加えられていたヒソップに含まれるαおよびβ-ツヨンのためである。
スパイクラベンダー(Lavandula latifolia 〔spica〕)油
シソ科小低木の花の咲いた先端部分から抽出した精油。ケトン類として、カンファー(16%)、カルボン(0.1〜0.5%)を含んでいる。
ストエカスラベンダー(別名フレンチラベンダー)(Lavandula stoechas)油
ケトン類としては、フェンコン(45〜50%)、カンファー(15〜30%)、ベルベノン(少量)をそれぞれ含む。強烈なカンファー臭があり、アロマテラピーではまず使われない。
シソ科草本の地上部を蒸留して抽出する。メントン(20〜60%)、プレゴンその他のケトン類を含む。
ペニロイヤル(Mentha pulegium)油
シソ科草本のこの花の咲いた地上部を蒸留抽出したもの。ケトン類としてプレゴン(55〜95%まで)を含有する。
ローズマリー(ベルベノン ケモタイプ)(Rosmarinus officinalis verbenoniferum)油
シソ科のこの花の咲いた先端部分を蒸留抽出する。ケトン類としてベルベノン(15〜37%)、カンファー(1〜15%)を含む。
ルー(別名ヘンルーダ)(Ruta graveolens)油
ミカン科の小低木の花の咲いた全体を蒸留して得る。ケトン類として2-ノナノン(35%)、2-ウンデカノン(2.5%)が含まれる。
セージ(Salvia officinalis)油
シソ科の低木の花と葉とを蒸留してとる精油。ケトン類としてα-ツヨン(12〜33%)、β-ツヨン(2〜14%)、カンファー(1〜26%)ー 全体として、ケトン類を20〜70%も含む。
サントリナ(Santolina chamaecyparissus)油
キク科の低木の種子、あるいは花の咲いた先端部分を蒸留抽出してとる精油。ケトン類としては、アルテミシアケトン(39%)、αおよびβ-サントリネノンを含む。
ツーヤ(Thuya occidentalis)油
ヒノキ科の木本の小枝を蒸留し抽出する。ケトン類としてはツヨン(30〜60%)、イソツヨン(8〜14%)、フェンコン(7〜14%)、カンファー(2〜3%)などを含む。
上記の植物精油に含まれる主要なケトン類
ボルネオン メチルエプテノン カンファー
カルボン メチルノニケトン
クリプトン ピノカンフォン
フェンコン ピノカルボン
フェノン プレゴン
イソアルテミシアケトン ツヨン
メントン トランスピノカルボン
メチルアミルケトン ベルベノン
2013年11月13日水曜日
精油の化学④ アズレン類およびセスキテルペン類
グアイアズレン
2013年11月6日水曜日
精油の化学③ アルデヒド類
真正メリッサ油の価格はピュアなバラ精油と同程度の値段。すなわち同じ重量の黄金と同じ価格である。安い真正メリッサ油などというものは、絶対に存在しない。
ネラール